人の自尊心を傷つけない方法
もう人の自尊心を傷つけない! -高めつつ、保ちつつ、それが基本。-
自尊心とは自分を大切にする気持ちのことです。だから、自尊心を傷つけないということは、これ即ち、人を傷つけないということです。しかし、自尊心の強度は人それぞれで、強そうに見えて弱い人もいるし、弱そうに見えて強い人もいます。そこで、どんなに弱く、優しい人にも使える相手の自尊心を傷つけない方法をご紹介します。
従う手順:
「頑張っているね。」何はともあれ、褒める。
自尊心を傷つけやすい人は、どちらかというと、自尊心が低く、自己否定的な人です。そのような人は、自分の自尊心を危機に陥れる可能性がある人を察知し、過剰に反発・反論します。だから、まずは自分はその人の自尊心を危機に陥れない人であると思わせ、その人に信用してもらうことが大切です。
どのようにしてそれをするかと言えば、とにかくタイミングを逃さず褒めることです。子供ぽい方法と思われるかもしれませんが、大人にも有効です。褒めるという行為は、貴方のことを見ていますよ、認めていますよというサインです。だから、出し惜しみはせずに、ちょっとしたことでも良いなと思ったら褒めましょう。ただし、必要以上に大げさに褒めすぎたり、タイミング悪く褒めたりするのは、良くありません。褒めるポイントをキャッチしたら、すかさず内容に応じた褒め方をしましょう。
「○○さんが、今日、・・・をしてくれた。」第三者の前で、具体的に褒める。
お礼は場所を変えて2回するのが良いと言われています。例えば、お食事を御馳走になった時を例にとれば、レストランを出た直後にありがとうございますと言い、次に会った時に先日はどうも…と言うという具合です。2回言うことで、本当にそう思っていたことが裏付けられるのかもしれません。褒めるという行為も、裏付けがなされることによって、さらに効果が高められます。
ただし、褒める場合は、本人に先日のあれ、良かったですよと言うと、ごまをすられている感じがして、今度は褒める人の自尊心が疑われてしまします。だから、本人に直接ではなく、本人がいる前で、第三者にこういうことがあったんだよと具体的に褒める形をとると良いでしょう。そうすることで、褒められた人は褒められた嬉しさが倍増し、自尊心を高めることができますし、この人は本当に自分のことを認めてくれていると感じさせることができるでしょう。
「ありがとう。」自尊心が保てなくなった人には、ありがとう作戦。
「私、何をやっても駄目だから。」自尊心が保てなくなった人が良く言う言葉です。正直、そんなこと、私に言われてもと思いますが、そういう人が自分の身近にいて、一緒に何かしなければいけないのであれば、手を差し伸べたいものです。
褒めることは大切ですが、自尊心が保てなくなった人は、励ますつもりで褒めても、おちょくられているように感じることがあります。そう感じる状態になっている時に、褒めても逆効果です。褒める代わりに、ありがとうと言いましょう。コーヒーをいれてくれて「ありがとう」、コピーを取って来てくれて「ありがとう」という具合です。「ありがとう」は言われる理由があるので、素直に受け入れやすいものです。これを繰り返していくうちに、自尊心が保てるようになるはずです。
指摘・注意は十分に相手を認めてから。
自尊心が認められている相手からの指摘・注意は、受け入れやすいものです。だから、指摘・注意が必要そうな相手には、日頃から1.~3.のことを十分に行っておきましょう。そして、相手の話は否定せずに、最後まで聞き、その後、指摘や注意をしましょう。それから、期待しているよなどと、励ますなり、フォローするなりしておきましょう。
また、指摘や注意したことが、一度で何とかなると思ってはいけません。自尊心が傷つきやすい人はプレッシャーにも弱いものなので、指摘や注意がプレッシャーになり、失敗を重ねてしまうことがあります。その時は、プレッシャーになっちゃったかな?などと言いつつ、指示を明確化したりして、失敗する原因を取り除きましょう。繰り返しの失敗は、自尊心の傷を深めます。傷を浅く済ませるために、できるだけのことをしてあげましょう。
指摘・注意をする上での注意点。
信用や良い印象は長い時間をかけて積み重ねていく必要がありますが、それらを失うのは簡単です。ちょっとしたことが原因で、全てを失います。だから、指摘をする上で、相手が変えることができないであろうことや、相手を全否定するようなことは、口が裂けても言ってはいけません。
例えば、仕事の効率が悪いことを指摘するにあたって、怒りに任せて、そんなに太っているから、遅いんだよ!とか、お前は馬鹿か!だから、結婚できないんだよ!とかは言ってはいけません。後で、言い過ぎたごめんと言っても、後の祭りです。言われた人は、そのような言い方で自尊心を傷つけられたことを決して忘れないでしょう。
自尊心が傷つきやすい人の扱いは難しいです。間違った方法をとると、根拠のない自尊心を育てます。だから、自尊心が傷つきやすい人への対処法は、自尊心を高めつつ、保ちつつが基本です。
この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。
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