低カリウム血症原因のまとめ

低カリウム血症原因のまとめ

みなさんは低カリウム血症という疾患をご存知でしょうか。カリウムが足りないために起こる疾患ですが、あまり馴染みのない疾患かもしれません。腎不全の方にとっては、高カリウム血症は命に関わるような重篤な疾患ですから、しっかり認知されている方も多いと思います。高カリウム血症でもよく分かるように、カリウム濃度は高すぎても低すぎてもいけないのです。低カリウム血症は、重症になると、麻痺や腎臓に影響があることもある病気です。しっかりと原因を把握して、普段の日常生活から対策を立てていきたいですよね。そこで今回は、そんな低カリウム血症の原因について、見ていきたいと思います。

低カリウム血症の病態

通常、私たちの体は主に食事からのカリウム摂取量と尿からの排出量を均等に保つことで、適正なカリウム濃度を維持しています。しかし、これが何らかの原因により、体内の総カリウム貯蔵量が不足したり、カリウムの細胞内への異常な移動や体外への排出によって、血液中のカリウム濃度が3.5mEq/L以下に低下した状態を低カリウム血症といいます。

低カリウム血症の原因

低カリウム血症の原因としては、偏った食生活によるカリウムの摂取不足や血液中から細胞内へのカリウム移動、また、下痢や嘔吐などにより消化管からカリウムが喪失すること、さらには利尿剤や甘草などにより腎臓から尿中へのカリウムが喪失してしまうことなどがあげられます。高齢者や病気の人で食事制限があったり、食欲不振で食事が摂れなかったりすると、血中カリウム濃度が低下し、低カリウム血症になってしまいます。また、拒食症やお酒をたくさん飲むなど、長期間にわたって偏った食生活をすることも原因となってしまいます。

血液中から細胞内へのカリウム移動は、アルカローシスと言い、何らかの原因で血液がアルカリ性に傾き、血液中にインスリンが増えることが原因になってしまう場合もあります。また、甲状腺機能亢進症の場合にも、しばしば発症します。低カリウム血症や低栄養では、マグネシウム欠乏も併発している場合もありますので、注意するようにしましょう。

また、消化管からの異常なカリウム喪失は、嘔吐下痢などの消化器症状が原因となって起こります。慢性の下痢や下剤の長期乱用、吸収障害が主な原因となります。加えて、嘔吐や胃内容物の吸引の場合、胃酸のHClが除去されて、腎臓がカリウムを排泄するために起こることもあります。また、長期間の激しい下痢症や水分摂取困難による脱水症がある場合、電解質異常をきたすことがあります。この場合も、低カリウム血症が起こることがあります。夏場は特に脱水症状が起こりやすいため、特に注意が必要です。

また、利尿剤を用いている人や、アルドステロン症やクッシング症候群といった副腎皮質の病気により、腎臓から尿中にカリウムが失われてしまう場合、それらが原因となることもあります。また、漢方薬に含まれる甘草の成分が、腎臓で副腎皮質ホルモンの作用を増強して、尿中に大量のカリウムが放出され、結果として大量のカリウムが体内から失われてしまうこともあるため、注意するようにしましょう。

まとめ

以上、低カリウム血症の原因について見てきました。いかがだったでしょうか。原因としては、食生活の乱れから嘔吐下痢まで様々なものがありました。カリウムはむくみを解消したり、予防したり、体にとって必要不可欠な栄養素ですが、過剰摂取でも不足しすぎてもいけません。どちらにおいても、病的疾患のリスクを高めてしまいますので、適量を適度に摂取するようにしましょう。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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