女性の下腹部痛の原因とチェックリストのまとめ

女性の下腹部痛の原因とチェックリストのまとめ

女性の下腹部痛は、婦人科で受診が必要な病気が潜んでいる場合が多いです。ほっといて治る場合も稀にありますが、痛みがあるのなら病院に行くのが一番です。とはいえ、どんな病気にかかっている可能性があるか、心づもりはしておきたいものです。もしよろしければ、下腹部痛を引き起こす代表的なもののチェックリストを下に紹介しますので、ご利用ください。心づもりさえできていれば、お医者様にも上手に症状を説明できるはずです。

子宮外妊娠

女性が体調不良を訴えたら、まずは妊娠を疑えと言われています。なぜなら、妊娠していたら、できない治療、使えない薬があるからです。ましてや、下腹部痛となれば、子宮外妊娠ではないかという考えが浮かびます。妊娠する女性のうち、確率としては1%程なのですが、その1%に自分が入ることがないと断言できる人はいないはずです。

  • 妊娠している可能性はあるか。(女性であれば、だいたい分かりますよね?)
  • とても痛い。(中には、ショック症状を引き起こす方がいるくらい、激しい痛みに襲われます。)
  • 出血し、その量が増えている。(普通の妊娠でも出血しますが、子宮外妊娠の場合、出血量が徐々に増えていきます。)
  • 腹部手術を受けたことがあったり、クラミジア感染症にかかったことがあったりする。(子宮外妊娠は卵管に問題があるために起こることが多いです。手術したことによって卵管が狭くなったり、感染症にかかったためにダメージを受けている場合があります。)

子宮内膜症

子宮内膜症は、簡単に言えば、子宮にできるべき子宮内膜が、子宮以外のところにできるために起こります。他の人の生理痛がどのようなものか、確認することはできないので、比較することは難しいのですが、子宮内膜症を患っている人はたいてい生理痛が重いと言われています。一般に、親族に子宮内膜症を患った人がいると、患いやすいとは言われていますが、女性の10人中1人がこの病気になると言われており、誰もがかかり得る病気であると言えるでしょう。

  • 最近、生理痛が重くなった。(生理の度に、症状が重くなる病気です。)
  • 生理時、出血量が多い。(ついでに、ドロッとした血の塊は出ていませんか。)
  • 生理痛を薬を使っても、コントロールできない。(薬は用量用法を守りましょう。倍飲んだら、倍の効き目ということはありません。)
  • 生理でない時も下腹部が痛む。(子宮内膜が子宮以外のところにできてしまっている事から起こる症状です。)
  • 生理でないのに、出血する。(子宮以外のところで出血し溜まった血が、生理とは関係なく出てくることがあります。)
  • お腹が張っている気がする。(卵巣に症状が出ると、徐々に卵巣が肥大するため、お腹が張ったような感じがします。)
  • 性交や排便時、痛みを感じる。
  • (体外に排出できない子宮内膜が炎症や癒着を起こしているために痛みます。)
  • 親族に子宮内膜症の人はいるか。(親族にいなくてもかかるということはお忘れなく。)

子宮付属器炎

子宮付属器とは卵巣・卵管のことです。この部分に炎症を起こすのが、子宮付属器炎です。炎症は、体力も関係してくることではありますが、性行為や、流産、中絶、出産などのために子宮に医療処置により、体内で処理しきれない程の細菌が侵入することによって起こります。近年の傾向として、女性の性感染症の罹患率が高くなっているという傾向があります。注意をする必要があるでしょう。性感染症は極めて心身ともにプライベートな部分と関わる病気であるために、受診が遅れる傾向にあります。

  • 下腹部に痛みがある。(下腹部を押して手を離す時に痛みがあることが多いようです。)
  • 発熱している。(細菌が体内に入ったために、発熱します。)
  • おりものが何か変だ。(量がいつもより増えて、血が混ざっていたり、膿状のおりものが出たりします。)
  • 吐き気がする。嘔吐がある。(腹膜の方に炎症が広がっている可能性があります。)
  • 排便痛や排尿痛がある。(膿などの量が増えてしまい、膀胱や肛門部分に影響を与えている可能性があります。)

病院へ行くことをためらわれている方へ

女性特有の病気は色々あります。ここにはあげませんでしたが、女性の3人の1人がかかると言われる「子宮筋腫」も、子宮の外側に筋腫ができるものの場合、その筋腫がねじけて強烈な痛みを発生させることがあります。子宮筋腫に限ったことではないのですが、痛みが出始めて少し休んでもそれが治まらず、ひどくなるばかりであるのであれば、必ず病院に行きましょう。

ちなみに、ここで挙げたものは放置しておいて良いものは、どれ一つとしてありません。子宮外妊娠は下手したら命にかかわりますし、そこまで行かなくても、今後、妊娠しにくくなったり、できなくなる可能性があります。これは、子宮内膜症も、子宮付属器炎も同じです。

最近の病院は昔の病院とは異なり、患者さんの気持ちをよく考えて治療にあたってくれます。だから、症状が軽いうちに、病院へ行きましょう。何もなければそれで良し、何かあれば治療を始めれば良いだけのことです。どうぞお大事に

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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