妊娠中の頭痛の対処法

妊娠中の頭痛について触れるのであれば、まずこのことを書かなければいけません。妊娠高血圧症候群という20人に1人がかかる病気があります。以前は妊娠中毒症と呼ばれていたものです。この病気の症状の一つに頭痛があります。この病気にかかるとおなかの赤ちゃんに十分な血液を送ることができなくなり、低体重で生まれる可能性が高くなるだけでなく、脳に障害を生じさせる場合もあります。それだけでなく、重症化すると母子ともに危険な状態に陥ります。

とはいえ、妊娠高血圧症候群は、血圧を測ることによって早期発見が可能なので、妊娠中の検診には必ず行くようにすれば大丈夫です。血圧のお薬の多くが妊娠中には不向きです。そのため、この病気になりそうだということになると食事療法による改善を試みます。ありきたりなことですが、日頃から塩分は控え、栄養バランスに注意した食事をとることが大切です。そして、ストレスと睡眠不足からは遠いところにいるよう心がけましょう。妊娠高血圧症候群は誰もがかかる病気です。しかし、ご親族に高血圧の方がいる場合はそうでない方に比べかかりやすいことが分かっています。心当たりのある方は注意していただけたらと思います。

最初に少し怖いことから書きましたが、妊娠中の頭痛は妊娠高血圧症候群の方だけがなるわけではありません。妊娠したことによって起こるホルモンバランスの乱れであったり、ストレスや疲れ、運動不足、鉄欠乏性貧血でも、頭痛は起こります。ホルモンのバランスや貧血は如何ともしがたいところもありますが、その他のことは対策の取りようがありそうです。頭痛が起こる前の状態を思い起こし、これからと思うことは生活から取り除くようにしましょう。

ホルモンバランスが乱れてしまっているかなと思われる方は、まずは少し体を休めましょう。それから、女性ホルモンの一つと同じ働きをすることで知られる大豆イソフラボンを摂取するために大豆で作られた食べ物をできるだけ食べるようにしましょう。そして、本来、体内にある女性ホルモンを活動させるために、カツオやマグロ、牛肉のレバーなどに含まれるビタミンB6や、卵、かぼちゃ、アーモンドなどに含まれるビタミンEの摂取を心がけましょう。

ホルモンバランスの乱れによる体調不良は、妊娠中の時だけに起こるものではありません。生理中であったり、更年期障害の時も起こります。症状も頭痛だけでなく、精神的に不安定になったり、何かをする気力を失ったりすることもあります。症状の軽減には周囲の方の理解も欠かすことができません。自己申告ではなかなか言いづらいかもしれませんが、周囲の方にもホルモンバランスの乱れで頭痛などの症状が出て、体を休める必要があることは知ってもらえたらと思います。そうすることで、きっと気持ちが楽になり、症状も軽減することでしょう。

ストレスや疲れが原因かなと思われる方は、どうしたらそれを軽減できるか、考える必要があります。仕事によるものなのか、お腹が大きくなって家事が大変になってきたことによるものなのか、はたまた、人間関係によるものなのか、その背景にあるものは人それぞれかと思います。

仕事のことであれば信頼できる上司などに相談してみると良いでしょう。ママになる前も、なった後も、同じように仕事をしたいものですが、現実を見るとなかなかそうもいきません。頭痛解消のためだけでなく、将来のために、話すべきことはきちんと話しましょう。また、家事が大変ならば、食材の宅配サービスや家事代行を頼むのも一つの手です。人間関係が問題なら、それこそ妊娠中の体調不良を理由にお付き合いを控えましょう。妊娠中の体調不良はお付き合いを控えるべき正当な理由です。

運動不足かなと思われる方は、お散歩くらいから始められると良いと思います。それになれたら、妊娠中ならではのマタニティ・ヨガやマタニティスイミングもお勧めです。新しいことをするという前向きな気持ちが生活を明るくします。また、ご自宅に近いところでマタニティに特化したグループに参加することで情報交換などができます。その地域で評判の保育園や幼稚園の情報はもちろん、良いと評判の小児科の先生や習い事のお教室のことも耳に入ってくることでしょう。今後の参考になります。

鉄欠乏性貧血はお医者様から言われて分かることかもしれません。一般に日本の妊婦さんは妊娠したらお薬はなし、できる限り自然にとお考えになるように思います。もちろん、そうできればそれが一番なのですが、海外では、そう貧しい国というわけでもないのに、妊娠が分かったら一律に無償でビタミン剤を配布する国もあります。だから、お医者様からビタミン剤を飲むようにと言われたら、自己判断で食事で何とかしようとなどは思わず、きちんと飲みましょう。

どうぞお大事に。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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