妊娠初期の腹痛を和らげる方法

妊娠初期の腹痛はなぜ起こるのでしょうか。

赤ちゃんが育つ子宮は、もとはと言えば鶏の卵ほどの大きさしかないものです。それが、妊娠すると赤ちゃんの成長に合わせて大きくなり、最終的には大きさは6倍、重さは20倍になります。この子宮の変化は、妊娠初期の段階が最も大きく、筋肉は伸びるし、靭帯などは引っ張られるしで、痛みが生じます。痛みの感じ方は、人ぞれぞれなので、言葉で説明するのは難しいことなのですが、ちくちく痛むという方もいれば、ずーんと重く痛むという方もいます。

妊娠初期の腹痛の原因は、卵巣にある場合もあります。妊娠するとhCGというホルモンが卵巣から分泌するのですが、それに伴って卵巣が張れてしまいます。そのため、お腹が痛くなったり、はりを感じたりします。ちなみに、このhCGは、妊娠検査薬や排卵検査薬でおなじみですが、子宮がん、卵巣がんなどの腫瘍マーカーとしても知られています。どちらにしろ、妊娠前とその後では、体が大きく変化しているということです。

腹痛を感じたら、まずは休む！

腹痛を感じたら、体を静かに横にして、休みましょう。身を横たえるところがなければ、ソファなどに座って、体を休めることが大切です。妊娠初期はお腹も大きくないですし、はっきり言って何も言わなければ、妊娠しているかどうかなど、人には分かりません。一番、身近なパートナーだって、赤ちゃんができて嬉しいと思っていても、実感は薄いです。そのため、妊娠したいなかった頃の感覚で無理をしがちですが、何事も初めが肝心です。妊娠したら無理はせず、初期の段階から周囲の理解と協力を得ましょう。

何でも余裕をもってする。

急いでいる時に限ってかかってくる長電話のように、妊娠初期の腹痛も、不思議なことに、しなければいけないことがたくさんある時に限って、おこります。急激な活動が筋肉を収縮させ、こんな時にというストレスがその背景にあるものと思われます。あまり自覚はなくても、体の中は急激に変化しています。だから、何をするにしても、時間の余裕をもって行動するようにし、予定や用事をぎゅうぎゅうに詰め込まないようにしましょう。

ストレスは大敵。

ストレスについて書きましたが、ストレスは大敵です。ストレスは妊娠食の腹痛を引き起こすだけでなく、血行を悪くします。血行が悪くなると赤ちゃんが呼吸などをするのに必要な胎盤の血流も悪くなります。このストレスが原因で、流産してしまうということも無きにしも非ずです。最近の日本は妊婦への風当たりが強く、妊婦だからって甘えている！とか、妊娠は病気じゃない！とかというような声も聞こえます。人を含めて、ストレス源からはなるべく離れているようにしましょう。

体は冷やさない。

冷えは腰痛や腹痛の原因になります。それは妊娠中も変わりありません。特に真夏は、外は熱くて薄着になりがちですが、室内や乗り物の中などは冷えるものです。足は素足ではなくソックスを履き、腰回りは薄手のもので良いので腹巻をし、袖のある服を着るなど、対策を取りましょう。とはいえ、ソックスは嫌、腹巻は嫌、外では肩を出したいという方もいることでしょう。そういう場合は、素足ではなくストッキングをはき、ひざ掛けでお腹から腰を守り、室内に入ったらストールで肩を覆うだけでも、冷えを妨げることができます。

便秘にならないようにする。

妊娠前から便秘がちな人は要注意です。妊娠すると腸の動きが緩慢になります。また、子宮が大きくなるにつれて、腸が圧迫されて、便秘になりやすくなります。子宮も腸も位置的に近いので、便秘でお腹が痛いのも、子宮の痛みのように感じられ、不安になるものです。便秘は食生活を注意するだけでも、かなり改善します。少し注意してみましょう。

病院に行った方が良いこともあります。

妊娠初期の腹痛は、大抵の場合、しばらくしたらおさまります。しかし、もし体を休めているのに、痛みが全然引かなかったり、痛みがだんだんひどくなるようだったら、病院へ行きましょう。また、出血がある場合は、すぐに病院に行った方が良いです。流産や子宮外妊娠の可能性があります。ちなみに、出血というと鮮血を思われるかと思いますか、茶褐色の場合もあります。どちらにしろ、病院へ行きましょう。余裕がなければ何はともあれでも良いのですが、出かける前に、病院に電話で一報を入れておくと尚のこと良いです。

ご参考いただけること、ありましたでしょうか。妊娠初期の段階は、妊娠そのものに体が慣れていないため、ちょっとしたことが腹痛の原因となります。腹痛が起こると、とても不安になるので、常日頃から腹痛を起こさない生活を心がけましょう。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

妊娠初期の腹痛を和らげる方法と関連した記事をチェックしたい場合は、家庭医学のジャンルから探すことができます。