妊娠後期に喉が渇く原因と対策

結論から述べると、喉の渇きの原因は妊娠中特有のホルモンにあります。妊娠中は、妊娠を継続するためにプロゲステロンというホルモンが継続的に分泌されます。妊娠中は赤ちゃんの分の血液や水分が優先的に必要とされますので、ママの必要とする血液量は40%も増えることになります。赤ちゃんを包んでいる羊水も水分ですから、その羊水をキレイに保つためにも多くの水分が必要なのです。このような理由から、プロゲステロンはいつもより多くの栄養と脂肪と水分をママに摂取させようと脳に働きかけます。この作用によって、ママは普段以上に食欲が出たり喉が渇いたりするのです。このように、妊娠後期にかけての喉の渇きは特に異常なわけではなく、元気な赤ちゃんを育むために必要な作用だったわけです。

喉の渇きはホルモンの影響が原因であり、それはママと赤ちゃんを守るための必然的な作用であるとお伝えしてきました。しかし、そうだとすると、じゃあガブガブ水を飲めばいいのかとなりますが、そうではありません。確かにママと赤ちゃんにとって水分補給は大切なのですが、適度に摂取することか大切なんです。そういった意味で、喉の渇きには対策が必要なのです。まず、適切な量というのは、1日あたり1.5～2リットルです。汗をたくさんかいた時など、この量は若干前後します。いくら喉が渇いているからといって、この量を逸脱して飲んではいけません。かえってむくみの原因になってしまいます。ではどうすればよいかというと、まず一気にゴクゴク飲まないようにしましょう。ゴクゴク飲むとついつい水分を摂りすぎてしまいます。少しずつ飲むことが大切です。次に、一旦口に含んでからゆっくりと飲み込むようにしましょう。口の中に潤いが広がり、それだけでも喉の渇きをだいぶ抑えることができます。ただ、飲み物を口に貯めて飲むことに抵抗がある方がいるかもしれません。そういった場合には、水ではなく氷を口に含んではいかがでしょうか。ガリガリと噛み砕かずに、ゆっくりと溶かす感じて水分を摂ると、喉の渇きも潤され、水分のとりすぎを防ぐことができます。

むくみが気になってあまり水分を摂らないという妊婦ママがいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。むくみを気にして水分を控えると、さらにむくみがひどくなります。どういうことかというと、水分不足になると体の中の細胞は水分を溜め込もうとします。細胞内に水分が溜まった状態がむくみですから、下手に水分補給を控えてしまうとかえってむくんでしまう結果になるんです。ですので、むくんでいるからといって水分補給を控えるといったようなことはせず、こまめに適切な量の水分補給を心掛けるようにしましょう。

喉の渇きと腎臓の機能には密接な関係があります。結論から述べると、適切な量の水分摂取は、腎臓の機能を助けることに繋がるのです。先程お伝えしたように、妊娠中は血液量がかなり増えます。羊水を含めた体全体の水分量がかなり増えた状態になっています。当然、それらをろ過してキレイにする腎臓へかかる負担も大きくなります。水分不足になると、排尿が抑制されますから、それだけ腎臓への負担が大きくなってしまうのです。汚れたものは体に溜め込まず、なるべく早く体外に出してあげることが腎臓機能を助けることに繋がります。そのためには適度な水分摂取が欠かせないのです。妊娠中は赤ちゃんの分まで腎臓に負荷がかかりますから、それを助ける意味合いでも、余計に喉が渇くのです。

ここまで、妊娠後期にかけての喉の渇きの原因とその対策について見てきました。原因としては、妊婦さん特有のホルモンの影響でしたが、それはママと赤ちゃんのための大量の血液と水分を支える大切な自然な作用であるということでした。したがって、原因が悪いわけではなく、度を越した過剰な水分摂取において、氷を口に含む等の対策が必要とお伝えしてきました。妊娠後期にかけてのママの体調変化は目まぐるしいです。だからこそ、日頃のちょっとした変化に注意して、適切な対応をとる必要があります。今回お伝えした内容がその参考になれば幸いです。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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