中耳炎

子供の中耳炎の原因と症状のまとめ

 
丘咲マリ
投稿者 丘咲マリ. 更新された: 16 1月 2017
子供の中耳炎の原因と症状のまとめ

中耳炎をご存知ですか?

中耳炎とは、鼓膜の内側の中耳(ちゅうじ)と呼ばれる部分に、殺菌やウィルスがなどが入って炎症をおこし、耳が痛くなったり、耳垂れの症状をいいます。

人の耳は耳管(じかん)と呼ばれる管で、喉や鼻とつながっています。乳児や幼児(6ヶ月から2歳ぐらい)は、この耳管が未発達で十分な長さがないうえ角度が水平に近いために、喉や鼻から殺菌やウィルスが入りやすいと考えれています。このため、子供は風邪をひいた時や、喉や鼻の病気にかかった時などに中耳炎にかかりやすくなるのです。

5歳ぐらいまでの子供には非常にかかりやすく、耳管が発達してくる10歳前後になると少なくなってきます。

では、子供の中耳炎の原因と症状について見ていきましょう。

出典:pediatricsnow.com

目次

  1. 原因
  2. 症状
  3. 予防法
  4. まとめ

原因

前述したように、中耳炎には、喉や鼻から殺菌やウィルスが入ることによって、風邪をひいたり、喉や鼻の病気にかかることで発症します。中には、プールの水やお風呂の湯が入ってしまったからではと心配される方もいらっしゃいますが、そうではありません。多くは、風邪がきっかけで増えた菌が、耳の中へ入って中耳炎となるのです。その為、風邪をひいて鼻水が出る度に中耳炎にかかる子供もいます。このように、風邪とセットで中耳炎にかかってしまうこともあるのです。

これ以外の原因として考えられるのに、「ミルクを飲む体勢」と「タバコの煙」があります。

ミルクを仰向けに近い状態で飲ませると、殺菌がミルクと一緒に耳管を通って中耳まで流れ込んでしまうため中耳炎となってしまうのです。つい、ベットやソファーなど平らな場所に、赤ちゃんを仰向けに寝かせてミルクを与えてしまいがちなので気をつけたいですね。

また、親や周囲の大人たちがタバコを吸う環境にいる子供たちは、そのタバコの煙を吸って中耳炎になってしまうことがあるのです。それは、タバコの煙に含まれている青酸ガスの影響を子供は受けやすいためと考えられます。大人の私たちは、子供の前ではタバコを吸うのを控えたいですね。

症状

では、どんな症状がみられるのでしょうか?

・耳が痛くなる

・聞こえづらくなる

・熱が出る

・耳垂れが出る(炎症によって内部に出来た膿みが鼓膜を破って外に出る症状です) 

など、大体この様な症状がみられます。

発症した当初は、「急性中耳炎」とよばれ、37度以上の熱が出て腫れによる痛みを感じ、耳を頻繁に触ったり、首を何度も振ったりするようになります。時には、機嫌が悪くなったり、夜泣きをすることもあります。痛みは、大体一晩か、長くても2、3日のうちにはとれます。その後、1ヶ月以上の時間をかけながらじょじょに治っていきます。この時期を「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」といいます。中耳の中に溜まった膿みが、耳や鼻を通して全て出るまで続きます。この症状が治まるまで、鼓膜が振動しづらくなっているため、呼んでも反応しない、テレビの音を大きくするといった難聴の様な症状がみられることもあります。

小さな子供たちは、耳痛を訴えず発熱のみの場合もあります。その為、耳垂れが出てはじめて中耳炎にかかっていることに気づきます。

中耳炎は、慢性化すると怖い病気ですので、耳を気にする仕草をしたり、

・呼びかけに反応しない

・何度も聞き返す

・テレビの音が大きい

などの症状がある場合は、早めに病院に行って診察してもらいましょう。

予防法

中耳炎は、早い段階で病院に行ってちゃんと治療して完治すれば、それほど怖い病気ではありません。

しかし、一度かかってしまうと長引く場合もあります。そこで、中耳炎にかからない様にするための予防法をご紹介します。

鼻水をこまめに噛む

子供の中耳炎の原因のほとんどが、鼻水とされています。鼻水には多くの殺菌やウィルスが含まれているため、それが耳の中に入って中耳炎の症状を起こしてしまうのです。何度も中耳炎にかかってしまったり、反復性中耳炎(1年に5回以上繰り返しかかる場合のこと)の場合は、特に念入りに鼻水ケアをしましょう。家庭用の電動鼻水吸引機などを利用するのもいいでしょう。

小児用肺炎球菌ワクチンを摂取する

中耳炎の原因球菌に「肺炎球菌」とよばれるものがあります。これは、小児用肺炎球菌ワクチンを打つことで予防することができるといわれています。このワクチンで、アメリカでは7%、フィンランドでは6%ほど中耳炎にかかる子供が減ったそうです。ただ、日本ではこの小児用肺炎球菌ワクチンは中耳炎では「承認外の効能」とされており、中耳炎の予防対応となっていません。しかし、WHO(世界保健機関)が最重要ワクチンのひとつとして、全ての国で定期接種するように勧告し、日本では2013年より定期接種となっています。

ミルクは起こした状態で飲ませる

できるだけ頭を起こした状態で授乳しましょう。

子供の前ではタバコは吸わない

子供は、タバコの青酸ガスの影響を受けやすいので注意しましょう。

おしゃぶりを長い時間使わない

生後12ヶ月以上絶っても、おしゃぶりを使っている子供は、中耳炎にかかる率が高いといわれています。それは、おしゃぶりを続けることで、喉や鼻の空間に陰圧を感じて耳管に悪い影響を与えてしまうからです。

食事で免疫をつける

野菜と果物には、ファイトニュートリエント。魚介類には、オメガ3。といった免疫促進物質が含まれています。特に、天然の鮭にはオメガ3がたくさん含まれています。

環境アレルゲンを排除する

埃などによる環境アレルゲンは、鼻づまりの原因となってしまいます。

まとめ

中耳炎にかからないようにするためにも、予防対策をとって、

子供が風邪をひいた時は、念のため耳鼻科も受診するようにしましょう。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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