立ちくらみの原因と対処法

立ちくらみの原因と対処法

急に目の前が真っ暗になって、その場に倒れ込んでしまうこと‥そう、立ちくらみです。誰しも一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。私もよくあります。「あ、ヤバい」と思ったらもう目の前が真っ暗になってしまって何も見えなくなってしまいます。ひどいときにはくらくらして倒れてしまうことも。そんな立ちくらみはなぜ起こるのでしょうか。また、立ちくらみにはどのように対処すればよいのでしょうか。今回はそんな立ちくらみについて見ていきたいと思います。

出典:konatoki.com

立ちくらみの原因

立ちくらみが起きる原因は、脳に十分な血液と酸素が送られていないことです。脳への血液を輸送、維持しているのは血圧ですが、この血圧が低くなると、立ちくらみが起きやすくなります。この血圧を調整している機能に問題がある際にも起こりやすくなります。脳は細い血管の集合体ですので、少しでも血液ポンプ機能に異常があると、影響をもろに受けてしまいます。

ポンプ機能に異常をきたす2つの状態

血液を送るポンプ機能に異常をきたす状態としては、次の2つが考えられます。まず、一つ目が「起立性低血圧」です。そして2つ目が、「血管迷走神経反射」です。これら2つのいずれかの状態に陥ってしまうと、立ちくらみが誘発されてしまいます。

起立性低血圧

これは皆さんもよく経験されたことがあるパターンかと思いますが、寝ている状態から急に起きて立ち上がったときに、クラっとくるタイプの立ちくらみです。横になっている状態から急に立ち上がると、血液が重力にしたがってお腹や下肢部に移動集中します。このとき、脳への血圧は急激に低下してしまうわけですが、ポンプ機能によってこの血圧降下をカバーしきれないときに、立ちくらみが起こります。これが、起立性低血圧の状態です。起立性低血圧を引き起こす誘因としては、次の因子が考えられます。

  1. 自律神経失調症やパーキンソン病、糖尿病性自律神経障害などがある
  2. 降圧薬や利尿薬を使用している
  3. 怪我による出血や脱水がひどい

持病の治療のため、血圧に作用する薬を日常的に服用されている場合は、十分な注意が必要です。

出典:xn--o9jdc3km45nsofvkgdqav26au42f1x3a.jp.net

起立性低血圧への対策

急に立ち上がることが、一番大きなリスクになりますから、まずはそういった行動をとらないようにすることです。ゆっくり立ち上がり、間に座る姿勢を取るなど工夫をしましょう。特に朝は血圧が低い状態になっていますので、寝起きは要注意です。ベッドや布団から飛び起きるというような行動はしないようにしましょう。また、普段から血圧が低い人は、水分を多目にとり、塩分の強い食事をとると良いと言われています。ただし、別の疾患がある場合は、そちらの治療、指導に従いましょう。また、もし生活リズムが不規則になってしまっている場合は、規則正しい生活をすることで自律神経の乱れを改善できます。早寝早起き、適度な運動とバランスの良い食事を心掛けましょう。

血管迷走神経反射

こちらも立ちくらみの原因としては非常に多いパターンです。迷走神経は副交感神経の一つですが、副交感神経は交感神経と逆の作用を持っています。交感神経が血管を収縮させ血圧を上昇させるのに対して、副交感神経は血圧を弛緩(拡張)させて血圧を下げる働きをもっています。つまり、副交感神経が刺激されてしまうと、心拍数が低下し、穏やかな血流になるわけです。血流が少ないですから、ちょっとした行動や動作でも脳に十分な血液が送れず、立ちくらみを引き起こしてしまいます。副交感神経が優位になり、刺激されるタイミングは、空腹時、長時間の立位、排尿や排便時、突然の痛みや精神的なショックなどです。排便時や長時間立ちっぱなしの時にクラっとくる方も多いのではないでしょうか。学校の全校集会などで長時間立ったまま先生の話を聞いている時に、突然バタバタと倒れてしまう生徒がよくいますが、それらの多くが血管迷走神経反射による立ちくらみです。

出典:hapila.jp

血管迷走神経反射の対策

血管迷走神経反射は、身体の正常な反射作用ですから、特段治療の必要はありません。ただし、立ちくらみによる転倒が一番危険ですから、転倒しないように工夫することが大切です。迷走神経反射による立ちくらみの場合、「あ、ヤバい!倒れそう」という感覚的な前兆を感じることが多いです。この時にすぐしゃがみこんだり、手を前についたり、手すりをつかんだりするように意識しましょう。高齢者の場合は、トイレ内での立ちくらみによる転倒が非常に多いです。手すり付きの「みんなのトイレ」を積極的に利用するようにしましょう。

出典:yaplog.jp

まとめ

以上、立ちくらみの原因と対処法について見てきました。いかがだったでしょうか。起立性低血圧によるものと血管迷走神経反射によるものが原因でした。どちらの場合でも対策が可能です。ただ、立ちくらみといっても、失神などの別の病態が隠れているケースもありますので、あまり頻繁に続くようであれば迷わず病院を受診しましょう。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

立ちくらみの原因と対処法と関連した記事をチェックしたい場合は、家庭医学のジャンルから探すことができます。