黒い便の意味、原因と病気のサイン
便の色は、健康状態のバラメーターともよばれ、黒い色、赤い色、緑色などそれぞれの色によって身体の中のどこが調子が悪いかを推測することができます。ただ、普段面と向かって自分の便の色を確認されている方はあまりいないと思いますので、たまたま目にした便の色が黒い色だったら驚きますよね。普通は茶色というイメージがどうしてもありますから、びっくりされると思います。そこで今回は、そんな黒い色の便について見ていきたいと思います。
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黒い便の意味とは?
通常であれば、便の色は茶色や黄色に近い色をしています。しかし、それが黒色になってしまうということは、やはり身体の異常やトラブルがおきているということを意味しています。便の色は、臓器の中の胆嚢というところから分泌される胆汁色素によって着色されています。つまり、この便の色が普段とは異なるということは、まず胆嚢に何らかの異常があるということを意味します。また、善玉菌と悪玉菌の腸内環境バランスによっても変化してきますので、腸内細菌のトラブルも可能性があります。
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黒い便の原因
黒い便が出る原因としては、次のようなことが考えられます。
①便秘
連続した3日以上排便がない場合、便秘の状態となります。体内に長期間便が滞留すればするほど、腐敗が進み、便の色は黒くなっていきます。ウサギの糞のようにコロコロしているというのも特徴です。
②偏った食生活
肉や魚はたくさん食べるけれども、野菜類はほとんど食べないというような食生活をしていると、胆汁の機能が低下してきます。胆汁は、便の機能に大きく関わっており、胆汁が分泌されることで便が柔らかく、黄色になっていく作用も持っています。野菜はほとんど食べないというような偏食を続けていると、便が黒色になってしまうだけでなく、その他の健康面全般に良くありません。ちなみに、海草類をたくさん食べてしまうと、便の色が黒色になってしまうこともありますので、その場合は特に問題ないでしょう。
③胃からの出血
胃や十二指腸からかなりの量の出血がある場合には、便が黒くなることがあります。血液中のヘモグロビンが胃酸と混合することで黒色に変色し、これが便に混じることで黒くなることがあります。出血が多くなってくると、硬い便から柔らかい便に変化してきますので、胃カメラ検査を受診するなど、早急な対応が必要です。
④薬の影響
貧血の薬を服用すると、黒い色の便が出る場合があります。貧血用の薬は、いわば鉄剤ですから、吸収しきれなかった成分が酸化することで、便が黒くなることがあります。タール便のようにも見えてしまいますが、心配する必要はありません。
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黒い便が示す病気のサイン
黒い色の便が出るということは、胃や十二指腸からかなりの出血があることを意味しています。そこから示唆される病気は、急性胃炎、胃潰瘍、食道がんです。
・急性胃炎
急激に発症し、下痢や便秘、吐き気、膨満感、ガスが溜まるなどといった食後の腹痛症状があります。内視鏡検査をすることで、線状のびらんや粘膜の浮腫が確認できますので、まずは病院で診察を受けましょう。
・胃潰瘍
食事中や食後に腹痛に襲われるのが特徴で、その他にも胸焼け、吐き気、食欲不振、体重減少、といった症状も出てきます。胃潰瘍はストレスと密接な関係があり、胃酸の過剰分泌によって胃の粘膜が破壊されてしまうことで起きる病気です。みぞおち周辺に、鈍い痛みや違和感を感じたら、すぐに病院で診察を受けましょう。
・食道がん
みぞおちの不快感や痛み、胸焼け、嘔吐などの症状があった場合、食道がんも疑いましょう。食道がんは女性よりも男性に圧倒的に発祥率が多く、飲酒や喫煙、偏った食生活や塩分過多が原因として考えられていますので、これらに当てはまる男性は注意が必要です。
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まとめ
以上、黒い色の便について見てきました。いかがだったでしょうか。便の色や機能に関しては、胆汁が大きく関わっておりますので、胆汁の機能にトラブルが生じている可能性が高いです。また、示唆される病気については、急性胃炎や胃潰瘍、食道がん等が考えられます。自覚症状と照らし合わせ、必要なときには必ず専門医を受診するようにしましょう。
この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。
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