タバコと風邪

タバコが風邪に悪い理由

 
Rina H.
投稿者 Rina H.. 更新された: 16 1月 2017
タバコが風邪に悪い理由

タバコを吸わない人は、体には悪いし、髪の毛や洋服に臭いが染みつくしで、何でタバコなんか吸うの?と思うかもしれません。しかし、タバコを吸う人は食後の一本はたまらなく美味しいし、仕事が上手くいかない時はイライラ防止にもなると言います。とはいえ、タバコが体に悪いのは本当で、身近なところで風邪を引きやすくしたり、長引かせたりするのだとか。なぜタバコが風邪に悪いのか、その理由を説明します。

目次

  1. 研究結果
  2. 酸欠状態
  3. 活性酸素の増加
  4. のどの荒れ
  5. 風邪はタバコを止めるチャンス
  6. 最後に

研究結果

面白い研究をする人はいるもので、タバコを吸っている人と吸っていない人に風邪を引かす点鼻薬をつけさせました。すると、前者はそのうち50%ほどの人が風邪を引いたのに対し、後者は35%ほどに留まったのだそうです。

また、タバコを吸っている人は、吸っていない人よりも約1週間以上、風邪が長引くリスクが、1日25本以下の人の場合、約1.5倍、25本以上の場合、約2.5倍、高くなりました。数字でこうはっきり出されると、タバコが風邪に悪いことははっきりしていると言わざる得ません。

風邪を引いたから、タバコを止めるでも良いのですが、風邪予防に風邪を引く前からタバコは止めた方がより効果的だということはできるでしょう。

酸欠状態

タバコを吸うと、一酸化炭素が体内に取り込まれます。血液中のヘモグロビンは、本来は酸素と結びつき、体中に酸素を運ぶのですが、一酸化炭素が体内に入ると一酸化炭素とも結びついてしまいます。それによって、体内に必要な酸素が十分に取り込めず、酸欠状態になります。

体が酸欠状態になると、栄養分を運んだり、老廃物を取り除いたりすることが十分にできなくなり、免疫力が低下します。免疫力が低下すると、風邪を引きやすくなったり、一度、風邪を引くとなかなか治らなくなったりします。

大げさなと思われる方もいるかと思いますが、一酸化炭素は怖いものです。一酸化炭素中毒という言葉をご存知かと思います。一酸化炭素は無味無臭なので、軽度の段階で自覚することが難しく、死亡事故につながることも多々あります。ということで、一酸化炭素を体内に摂取することは避けるべきです。

活性酸素の増加

活性酸素は酸化する力の強い酸素です。少量であれば、体内に入ってきた菌を酸化させ健康な細胞を守ってくれる便利なものですが、量が多いと健康な細胞をも酸化させ、老化を早めます。普通に生活していても、吸い込んだ酸素のうち、2%は活性酸素になるので、余計な活性酸素は作らない努力をする必要があります。

ちなみに、タバコを吸うとニコチンやタールなどが体内に摂取されます。ニコチンやタールは有害物質なので、それを取り除こうとして、活性酸素が余計に生成します。余計に生成された活性酸素は、本来は白血球の武器として風邪のウィルスを戦ってくれるものなのに、親であるはずの白血球を攻撃し始めます。そのような時に、風邪のウィルスが体内に入ると、ウィルスを戦う白血球が足りず、風邪を引いてしまいます。

言ってみれば、タバコを吸うという行為は、日々、風邪を引くため、体を弱くするため、体を老化させるために頑張っているようなものなのです。

のどの荒れ

風邪を引くとのどが痛くなることがありますが、タバコを吸っていると、さらにその症状を悪化させます。どうも風邪でのどが悪い時は、タバコの味も変わるらしいのですが、ベビースモーカーの方は体がニコチンを欲して、ついつい手が伸びてしまうようです。理由はどうであれ、タバコを吸うことによって、体内に運びこまれる有害物質は、ただでさえ弱っているのどを攻撃し、風邪の治りを悪くします。

少し怖いことを言いますが、のどにこの手の負担をかけ続けると、のどに癌ができる原因にもなり得ます。のどの癌は、今の声を失う可能性のある怖い癌です。1度の風邪で癌の心配をすることはないのですが、のどを悪くすると、咳が出て、周囲の人も嫌がります。あんなに咳をしているのにタバコを吸ってと思われないためにも、風邪を引いている時はタバコを吸うのは止めましょう。

風邪はタバコを止めるチャンス

中毒や依存傾向にある場合、体が弱った時は、それを断ち切るチャンスです。前述した通り、風邪を引くと、タバコの味が変わり、美味しくないと感じるそうです。美味しいと思っている時よりも、美味しくないと思っている時の方が、当然、止めやすいです。

風邪を引いている状態では、100%の力で活動することができません。一日も早く風邪を治し、今後は風邪を引かないようにするためにも、タバコは止めて、日々、風邪予防に努めるべきなのではないでしょうか。

最後に

実のところ、タバコの問題は、個人の問題ではありません。周囲にいる人が受動喫煙をし、風邪を引きやすくしたり、治りを遅くしたりすることがあります。自分の健康のためだけでなく、周囲の人の健康のためにも、この際、タバコは止めてしまった方が良いです。百害あって一利なしです。今、引いている風邪は、体をきちんと休めて、栄養あるものを食べ、一日も早く治し、風邪なんか引かない体づくりをしましょう。どうぞお大事に。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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