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ハチに刺されたときの応急処置と対処法

Kollama Yujiro
投稿者 Kollama Yujiro. 更新された: 16 1月 2017
ハチに刺されたときの応急処置と対処法

夏になると増えてくるのがハチに刺される事故。夏は薄着になりますし、登山に行ったりキャンプに行ったりした際にハチ刺されてしまうこともあります。ハチは刺激してしまうと集団で襲ってくることがありますので本当に気をつけたいですよね。ハチの種類によっては重症になることもありますし、場合によっては命に関わることになりかねません。しかし、刺された時に正しい対応を行うことで、その後の症状を和らげることにつながります。ここではハチに刺されたときの応急処置と対処法をお伝えします。

従う手順:

1

なるべく早くその場から離れる

ハチに刺されてしまった場合、最初に行うことは、なるべくその場から離れることです。意外かもしれませんが、一番大事なのはその場から離れさらにハチに刺されることを防ぎ、安全を確保することなのです。いくら刺された場所を処置したとしても、次々にハチに刺されていては危険です。刺してきたハチが1匹だけで、刺した後すぐにどこかに行ってしまったとしても、ハチの毒液は仲間のハチに「ここに敵がいる」ということを知らせるフェロモンの働きがあり、他のハチが襲ってくる可能性もあります。特に野外の場合は周辺にハチの巣があることも十分考えられます。その場から遠ざかりなるべく安全な場所に移動するようにしましょう。この時に注意してほしいのが、激しい動きで避難すると、ハチを刺激してさらに襲ってくる可能性がありますので、冷静になってゆっくりとその場から離れるようにしましょう。出来れば屋内への退避が望ましいです

2

刺された傷口を洗浄し、毒を絞り出す

もし刺してきたハチがミツバチだった場合は、針ごと患部に残っている可能性があるので、なるべく早くこの針と毒液を取り除く必要があります。しかし、むやみやたらに針を抜こうとすると、この毒針から体内に毒液が入ってしまうことにもなりかねません。正しい対処法を学んでから行うようにしましょう。まず、針を抜くときはなるべく圧迫しないようにそっと針の部分を取り出すことが重要ですので、ピンセットがあればベストですがなければ硬いカードで横に払うようにして針を取り除くとよいでしょう。その後流水で刺された部分を洗い流します。通常ハチに刺されると激しい痛みに襲われます。それはハチの毒のせいですので、流水で毒を流すことにより、痛みが治まってくるはずです。また、よくテレビドラマでハチの毒を口で吸い出すシーンを見かけますが、これはあまりおすすめできません。ハチの毒は口に入れてもすぐに害があるというものではありませんが、歯茎などから毒が侵入してしまう可能性があるからです。なるべく流水で洗い流すようにし、状況によりどうしても口で吸い出さなければほかに方法がないという時だけ、慎重に行うようにしましょう。最近では毒を吸い出すための専用のリムーバーがアウトドア用品店で販売されておりますので、野外に行く際は予め購入しておくと大変便利です。

画像:t-meister.jp

ハチに刺されたときの応急処置と対処法 - ステップ2
3

傷口に薬を塗って傷口を冷やす

ハチの毒を吸い出したあとは虫さされの薬を持っていれば患部に塗るようにしましょう。抗ヒスタミン系の成分を含むステロイド系軟膏が最適ですが、これは虫さされの薬に含まれていることが多いので、手元になる場合はこれを塗るようにしましょう。抗ヒスタミン成分には痛み止めの効果がありアトピーやじんましんの症状の緩和に使われるものです。ステロイドは炎症やアレルギーを抑制する効果があります。薬箱をチェックしてこのような成分が入っている軟膏があればそちらで対処するようにしましょう。また、「ハチに刺された際はおしっこをかけるとよい」と聞いたことがあるかと思いますが、これは実際にはあまり効果がありません。効果がないどころか、おしっこに含まれる雑菌で傷口から感染してしまうことがあるのでやめておきましょう。ハチの毒はたんぱく質であり、おしっこなどのアンモニア水をかけても中和出来ないということが研究で分かっています。虫さされの軟膏で対応しましょう

ハチに刺されたときの応急処置と対処法 - ステップ3
4

早めに病院に行く

上記の対応はあくまで病院に行くまでの応急処置となりますので、出来るだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。受信するのは皮膚科です。特に、ハチに刺されたことによるショック症状が出ている場合は一刻を争います。なるべく早く病院で対応してもらうようにしましょう。特にハチに2回以上刺されることで、「全身性のじんましん」「呼吸困難」「意識障害」「血圧低下」などを発症した場合は、ハチの毒によるアナフィラキシーショックの可能性があり、場合によっては生死にかかわりますのでご注意ください。これらの症状は発症期間が10~15分と大変短く、治療が間に合わずに亡くなるケースがあります。アナフィラキシーショックになったとしても、適切な処置を早期に行えば命を取り留めることが出来ますので、即座に医療機関を訪れることを最優先に考えましょう

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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