右肩の痛みの原因
肩が痛いというと、多くの場合は筋肉疲労による肩こりや年齢によっては四十肩・五十肩といった肩周囲の関節炎を疑う場合が多いと思います。肩こりの場合は痛みの強弱はあれど、ほとんどの場合は両肩が痛みます。しかし右肩だけが痛む場合、筋肉や肩の炎症ではなく内臓の病気が影響している可能性があるのです。重篤な疾患が隠れていた場合は、早期発見早期治療が何よりも重要です。そこで今回は、そんな右肩の痛みの原因について見ていきたいと思います。
出典:momoti.com
肩こり
右肩の痛みの原因として、最も一般的に多いのが肩こりです。そしてこの肩こりの最も大きな原因となるのは、筋肉疲労によるものです。デスクワークや車の運転等で長時間同じ姿勢のままでいると、同じ筋肉を使い続けてしまう為、血行障害を起こして筋肉が硬くなってしまうのです。多くの場合、肩だけではなく首や肩甲骨周辺まで重さや張り、痛みが広がっています。そして常に猫背等で姿勢が悪い人は、慢性的な肩こりを患っていることが多いのが特徴です。また、筋肉疲労の他に、歯の噛み合わせ異常による顎関節症によっても肩こりが引き起こされる場合もあります。普段の姿勢に気を付け、同じ姿勢を続けている場合は30分~1時間に1回、定期的にストレッチをしたりするなどして、筋肉疲労を解消するように心掛けることが大切です。
四十肩、五十肩が原因の場合
四十肩や五十肩が原因で痛みが生じる場合もあります。これらの疾患は、その名の通り、40代以降の人に起こりやすいです。性差は特になく、男性でも女性でも起こりえます。筋肉が痛む肩こりとは違い、四十肩・五十肩は関節に炎症が起こることで生じる痛みです。この違いの点は非常に重要ですし、痛み症状の差に顕著に表れています。原因はまだ明らかにされていませんが、関節に支障をきたしているため、肩の様々な動作がスムーズに行えるかどうかによって判断することができます。病院で適切なケアを受けることで半年~1年で回復すると言われていますので、年齢によるものだと諦めず、病院を受診してみることが大切です。
肝臓系疾患が原因の場合
肝臓系の疾患が原因でも、右肩の痛みが生じる場合があります。肝臓はお腹の右上に位置しているため、肝機能障害や肝臓がん等、肝臓が悪くなると右肩がこり、つるような症状が現れてくるのです。また、同時に首筋や背中もこる場合が多いです。それは肝臓の機能が低下することで、筋肉の収縮力が弱まり硬直しやすくなることが原因です。肩こりや関節痛が起こりやすくなりますので、問題のない肩の痛みと症状が似ていますが、右肩が特に痛んだり、次のような症状も合わせて起こっている場合は、肝臓の病気を疑いましょう。
①全身が疲れやすくだるい②皮膚や爪が黄色くなる(黄疸)③肝臓の右上あたりにしこりや盛り上がりがある④怒りっぽくなる⑤不眠
肝臓は「沈黙の臓器」と言われており、初期段階では自覚症状が出ない為発見が難しい病気です。症状が現れる頃には悪化が進んでいて既に手遅れになっているケースも多い厄介な疾患です。ただの肩こりと侮らずに、疑わしい症状を感じたら、早急に病院を受診することが大切です。
胆のう系の疾患が原因の場合
胆のう系の疾患が原因でも、痛みが生じる場合があります。肝臓の下に位置しているのが胆のうです。疾患の症状としては、肝臓の病気の際とほぼ同じですが、胸の痛みを伴う場合は胆のうに炎症が起こっていたり、胆石ができている可能性が考えられます。右肩の痛みや右側の背中の痛み、胸の痛み、脂肪の多い食べ物を食べた後に起こる痛み、黄疸、発熱、吐き気などの症状がある場合、胆のう系の疾患が疑われます。胆石が出来て胆管に詰まってしまうと、転げまわる程の激しい腹痛に襲われます。胆のうには脂質を消化するという重要な役割がありますので、胆石や胆のう炎などが疑われる場合は、早く病院を受診し、病院での治療と合わせて高タンパク、低コレステロール等の食事療法を始めるようにしましょう。
まとめ
以上、右肩の痛みの原因について見てきました。いかがだったでしょうか。単なる肩こりが原因であれば、心配されなくても問題ないのですが、内臓系の疾患が原因の場合には細心の注意が必要です。生死に関わるような重篤な疾患が隠れている可能性もありますから、異常を感じたらすぐに専門の病院を受診するようにしましょう。
この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。
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