左肩の痛みの原因
肩が痛いというと、多くの場合は筋肉疲労による肩こりや年齢によっては四十肩・五十肩といった肩周囲の関節炎を疑う場合が多いと思います。肩こりの場合は痛みの強弱はあれど、ほとんどの場合は両肩が痛みます。しかし左肩だけが痛む場合、筋肉や肩の炎症ではなく内臓系の病気が影響している可能性があるのです。重篤な疾患が隠れていた場合は、早期発見早期治療が何よりも重要となります。そこで今回は、そんな左肩の痛みの原因について見ていきたいと思います。
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胃が弱っていることが原因の場合
胃が弱っていることが原因で、左肩の痛みが生じる場合があります。肩こりはパソコンやスマートフォンの長時間操作、その他にも読書や車の運転などで同じ姿勢のままでいること、姿勢が悪い人、運動不足の人がたまに運動をした場合など、日常の様々な原因によって発症しますが、それでも一向によくならない場合、特に左肩がこっている場合は、「胃が弱っている」ことが考えられます。その理由は、胃と左側の背中、腕の筋肉とが繋がっているからです。また、それ意外にもストレスが溜まっていたり、暴飲暴食などでも胃を痛めてしまう場合もあります。胃が疲れると筋肉がこわばり、血行が良くなることで左肩や肩甲骨の間に痛みが生じてきます。胃は精神的な問題も影響を受けやすい部分なので、ストレスを解消することも左肩のこりを和らげる対処法の一つと言えます。
四十肩、五十肩が原因の場合
四十肩や五十肩が原因で痛みが生じる場合もあります。これらの疾患は、その名の通り、40代以降の人に起こりやすいです。性差は特になく、男性でも女性でも起こりえます。筋肉が痛む肩こりとは違い、四十肩・五十肩は関節に炎症が起こることで生じる痛みです。この違いの点は非常に重要ですし、痛み症状の差に顕著に表れています。原因はまだ明らかにされていませんが、関節に支障をきたしているため、肩の様々な動作がスムーズに行えるかどうかによって判断することができます。病院で適切なケアを受けることで半年~1年で回復すると言われていますので、年齢によるものだと諦めず、病院を受診してみることが大切です。
心筋梗塞が原因の場合
心筋梗塞が原因で、左肩の痛みが生じる場合もあります。左肩に痛みが出ている場合の病的疾患の中でも、最も注意したいのが疾患です。心筋梗塞とは、動脈硬化によって心臓に血液や酸素などを送る為の血管である冠動脈の内側に血栓ができて塞いでしまい、心筋への血流がストップして細胞が壊死してしまう病気です。この時壊死してしまった細胞が元に戻ることはなく、最悪の場合は死に至ることがあります。発症から3日以内のものを急性心筋梗塞と呼び、30日以上が経過しているものを陳旧性心筋梗塞と呼びます。私たちが心筋梗塞としてイメージするのは、突然胸の痛みの発作を伴う急性心筋梗塞の方が多いと思います。しかし、実は知らず知らずのうちに発症している心筋梗塞もあるのです。心筋梗塞となり痛みを生じさせる物質が心筋から分泌されると、その物質は神経を経由して脳に伝えられます。しかし、心筋から脳へと続く神経は左肩から伸びる神経と交わっている為、脳が勘違いをして肩の痛みだと思い、左肩に痛みを生じさせてしまうのです。これが左肩の痛みと心筋梗塞がリンクしているメカニズムです。
まとめ
以上、左肩の痛みの原因について見てきました。いかがだったでしょうか。ただの肩こりの場合や五十肩などの場合には、肩だけの問題ですからそこまで気にしなくても大丈夫ですが、心筋梗塞など命に関わるような重篤な疾患が隠れていた場合は非常に怖いです。油断せずに、少しでも違和感があるような場合には、専門の医療機関を受診するようにしましょう。
この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。
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