痒みが無い手のひらの水泡の対処法

んな病気が考えられる？

手に水泡ができると言われたら、まず思う症状は、主婦湿疹です。主婦の方だけでなく、水仕事をよくされる方がなります。手のひらが乾燥しているとなりやすいです。ただし、主婦湿疹でできる水ぶくれは強い痒みが伴います。そのため、痒みがない水泡の場合、主婦湿疹ではないと思われます。

次に挙げられるのは、指湿疹、汗疱とも呼ばれる汗疱状湿疹です。手汗がひどい状態が続いたり、手汗をかいたままの状態で手を握り続けたりするとなります。汗腺がつまり、汗が外にできらず水泡になってしまったと考えられています。この水泡を包む袋は、かなりしっかりしています。だから、なかなか袋は破れないのですが、万が一、水泡が破けて、中に入っている水が人に触れたりしても、水自体は細菌で満ちているという訳ではないので、人の移るということはありません。ただし、水泡が破けた後、そこに細菌が入ると炎症を起こすことがあるので注意は必要です。

その他にも、掌蹠（しょうせき）膿疱症ということも考えられます。足の裏にもできやすいのですが、手のひらに水泡というと、こちらの可能性もあるでしょう。まず水泡ができて、その後、膿ができます。この膿には細菌などは含まれていないので、袋が破けて膿が他の個所に触れたとしても、広がるということはありません。しかし、膿を無理に出したりすると、そこから細菌が入り、炎症を起こし、痒くなるということはあります。掌蹠膿疱症は汗疱状湿疹よりも、それができる理由が複雑です。また、できては治り、治ってはできるを繰り返すこともよくあります。

手に水泡ができてしまったら。

そのままにしておくよりも、まずは病院に行って、何なのかはっきりさせた方が良いでしょう。というのも、汗疱状湿疹も、掌蹠膿疱症も、痒みはないと言われていますが、でき初めの段階では、痒みを感じられる方も多くいます。また、痒みや痛みというのは、かなり主観的なものです。私の知り合いは多くの人が七転八倒すると言われている帯状疱疹にかかっていたのに、ちくちくするくらいで痛くなかったそうで、ご家族に散々言われて、嫌々病院に行ったという人もいました。早期治療はとても大切で、それをするかしないかで、治療期間が変わってきます。痒みがないし、大したことないだろうと思っても、病院に行く時間を作るべきだと思います。

とはいえ、病院の待ち時間は長いし、仕事の都合ですぐにはいけないという方もいることでしょう。そういう方は、まずは手を清潔に保つ努力をしましょう。手汗をそのままにはせず、手汗をかいたらすぐに拭き、手洗いをよくして、汗を手に残したままにしないように心がけましょう。また、季節によっては、手袋などをするかと思いますが、手袋もできれば通気性の良いものを選び、清潔であることを心がけましょう。

また、手のひらにできる水泡に限らず、体の不調はたいていストレスや生活習慣と関係しています。実際に、掌蹠膿疱症になられる方は、タバコを吸われる方が多いという調査結果もあるくらいです。禁煙したからといって、掌蹠膿疱症が治るということはないのですが、タバコも飲酒も、度を越えたものは控え、ストレスは軽減し、早寝早起きや健康的な食生活をするようにしましょう。

どんな治療をするの？

汗疱状湿疹でも、掌蹠膿疱症でも、ステロイド系のお薬が出される可能性が高いです。ステロイドと聞くとそれだけで拒否反応を示す方もいますが、用法用量を守れば、怖いものではありません。逆に、個人の判断で少なめにしたりするのは良くありません。きちんと言われた通りに薬を使いましょう。

また、掌蹠膿疱症は、金属アレルギーや扁桃腺に問題があることがあります。検査の結果、それがはっきりしたら、歯の金属の詰め物を除去したり、扁桃腺の摘出手術を受けることになる場合もあります。再発することが多い病気でもあるので、腰を据えて治療することが大切です。

痒みがないとはいえ、手に何かできているという状態は、自分にとっても、周囲の人にとっても、気持ちの良い状態でないことに代わりありません。一日も早く、良くなりますように。

この記事に含まれる情報は参照の目的だけに提供され、医師あるいは他の有資格の専門家によるアドバイスの代用にはなりません。医師に相談することをお勧めします。

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